胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃や十二指腸に潰瘍が出来ること。
総称して消化性潰瘍とも呼ばれています。以前は、胃潰瘍になる傾向が高かったですが、最近では、若い人から高齢の人まで、十二指腸潰瘍をわずらい、通院するケースが増えています。症状としては、潰瘍が発生した箇所や、形や大きさ、深さや数、出血の有無によって異なります。
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例として以下のことが上げられます。
<腹痛>
やけるような、差し込むような痛みです。この場合、食事をすると収まり、空腹になると痛み始めます。
*空腹時や夜間の痛みは十二指腸潰瘍に見られますが、中には食後、まやは食事に関係なく起こることがあるようです。
<胸やけ・ゲップ>
高齢者の場合、自覚症状が出ない場合もあります。
<吐血>
大量の血を吐くこと。こげ茶ないし黒褐色で、吐き気をもよおす時と同時に起こります。
*喀血との区別をつけましょう。喀血とは、肺や気管支が病気の時に起こります。せきと共に口から血をはきますが、その血液は鮮やかな赤色で、泡を含んでいます。
<下血>
肛門から排出された便のこと。潰瘍が出来る時に、胃の壁にある血管がえぐれて潰瘍底に露出するために起こります。たまたま太い血管が露出すると、大量の出血を伴い、ショック状態を引き起こすことがあります。ショック状態になると、血圧が下がり、脈も悪くなるため、早急な治療が必要になります。
◆原因
以前はストレスと考えられてきましたが、最近ではヘリコバクターピロリ菌であるという考えが主流になってきました。再発の原因を考えるときに、このピロリ菌を思い浮かべることで、年々再発は減ってきています。
◆潰瘍の再発を繰り返すとどうなるか
幽門部や十二指腸球部の内腔が狭くなり、食べ物が通りにくくなります。この場合、起こりうる症状として、以下の3つが上げられます。
●胃のもたれ感や吐き気などがあります。
●栄養が体に行き渡らなくなるため痩せ始めます。
●穿孔(せんこう)や穿通(せんつう)を引き起こします。
*穿孔とは
胃の壁や十二指腸が深くくずれ、完全に胃に穴が開いた状態です。この場合、起こりうる症状として、突然みずおちのあたりに激痛が走ります。その激痛がだんだんと腹部に移ります。その間、吐血や発熱があります。早急に処置をしないと、手後れになる場合があります。穿孔を起こす確率は、十二指腸潰瘍の場合、胃潰瘍の2倍とも言われています。
*穿通とは
胃の一番外側を覆っている漿膜が破れていても、腹膜やすい臓、胆道の周りや肝臓などで、穴をなんとかつないでいる状態のこと。起こりうる症状として、腹痛から始まり、それが背中へと広がっていきます。穿通する場所によって、痛みが広がる場所も変わります。
◆治療
主な治療法として薬物療法・食事療法・漢方の3つがあります。
<薬物療法>
①潰瘍痛などの自覚症状を改善すること
②治療<を進めること
③再発の予防
④合併症の対策
⑤ストレスの解消
⑥睡眠
*近年は強力な胃酸分泌抑制剤であるプロトポンプ阻害剤(タケプロン、オメプラール、パリエットなど)や、H2プロッカー(ザンタック、タガメット、ガスター、アルタット、アシノンなど)の普及で、胃潰瘍のほとんどは、1~2ヶ月で治るようになりました。しかし、投薬を中止したり、投薬中でも再発が起こることがあります。そこで使用を認められたのがヘリコバクターピロリ菌です。これにより除菌療法を行う際に、保険が適用されることになりました。ヘリコバクターピロリ菌を使うことで、再発率は減少しました。他にも、粘膜防御系の薬剤も使用されています。
また、出血などの合併に対しては、クリップをかけて止血する内視鏡止血法が発達したことで、手術をしなくてよい症例が増えています。
<食事療法>
出血、閉塞、穿孔などの合併症がない時は、これといった食事制限はありません。
ですが、以下のようなものは控えましょう。
●アルコール・コーヒー・タバコなど
●繊維の多いもの、塩っけや油っけの多いもの、香辛料など。
●高カロリー、高タンパク質、高ビタミンなど。
<漢方療法>
胃潰瘍と十二指腸を、治療の上で区別する必要はありません。
病人の体質、症状に合わせて、以下のような処方を用います。
●清熱解鬱湯(せいねつげうつとう)
こんな方にオススメです。
→お腹の上のあたりに痛みがある方
→舌が乾燥していたり、こけ(舌苔)があったりする方
→精神的にストレスがある方
●柴胡桂枝湯(さいこけいしとう)
→初期段階で、体力もそれほど衰えていない方にオススメです。
→腹直筋の緊張が認められ、緊張のない場合でも腹力があるものに効果があります。
●四逆散(しぎゃくさん)
→左右の腹直筋が緊張して、手足が冷える人にオススメです。
●半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)
→比較的体力がある人にオススメです。軽い潰瘍で、みずおちが張ったり、食後に胃痛があったり、さらには吐き気がある時に使います。
●千金当帰湯(せんきんとうきとう)
こんな方にオススメです。
→冷えがあり、血色が悪い方
→お腹だけでなく、肩や背中にまで痛みがある方
●延年半夏湯(えんねんはんげとう)
→体力が、あまりない方にオススメです。
→慢性の潰瘍で、肩こりと痛みがあり、足先に冷えがある方にオススメです。
●堅中湯(けんちゅうとう)
こんな方にオススメです。
→潰瘍が慢性化し、痩せて顔色が悪く、体力があまりない方
→お腹に力が入らなく、胃の中に水が溜まっている方
→吐き気や嘔吐、食欲がない方
●安中散(あんちゅうさん)
慢性の潰瘍の痛みに用います。こんな方にオススメです。
→痩せて体力がなく、冷え性で疲れやすい方
→皮膚や筋肉が緩み、脈やお腹が弱い方
→胃の中に水が溜まっている方
●六君子湯(りっくんしとう)
こんな方にオススメです。
→胃腸が弱く、胃に水が溜まっている方
→脈、お腹とも弱く、みずおちがつかえている方
→食欲がなく、疲れやすく貧血を起こす方
→手足が冷えやすい方
→お腹が痛む方
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